富士屋ホテル

神奈川県箱根町の富士屋ホテルに行ってきました。 　第一印象が大切なのは、人もホテルも同じです。ホテルの正面玄関で、ドアボーイやベルボーイなどのスタッフに温かい歓迎を受けると、ホテルに対する印象が格段に良くなります。 　箱根・宮ノ下で箱根登山鉄道を降りた時、雪が降っていました。雪に濡れながら歩いてホテルに到着すると、玄関で傘の整理をしていたスタッフが、白いタオルを取り出して、濡れた鞄を拭いてくれました。そのさり気ない動作に感激して、何か良い事が起こりそうな予感がしました。胸がわくわくして、今日の宿泊に期待をして、チェックインをしました。 　ロビーの雰囲気は、古いホテルのため雑然とした感じで、フロントには昔ながらの木のカウンターがあり、立ったままでチェックインしました。

このホテルのお薦めは、メインダイニング「ザ・フジヤ」です。昭和５年に建てられたメインダイニングルームは、日光東照宮本殿をモデルに造られているそうで、和洋折衷の華麗なインテリアです。朝食をとりに、このレストランに足を踏み入れた時、窓の外は薄い雪化粧ながらも、室内には明るい光が差し込んでいて、あまりの美しさに驚きました。 　スタッフに席に案内されると、重厚な白のテーブルクロスに、磨きこまれた銀器が用意されていました。食事は、「シェフおすすめ」のコースを注文しました。内容は、ジュース（オレンジ、トマトなど）、卵料理とミート（ハムまたはベーコン）、トースト、マフィンまたはクロワッサン、グレープフルーツ、コーヒ。卵料理は、オムレツを注文しました。マーマレードが手作りのようで美味しく、マフィンを注文したらお皿に１個だけで、少なくて驚きました。全体的に量は少なめですが、とても満足しました。 　スタッフのサービスが優雅で心地良い、こんな素晴らしいサービスは、東京のホテルでも受けたことがなく、感激しました。朝からおしゃれをして行きたいレストランです。隣のテーブルでは、老夫婦がパンケーキを美味しそうに食べていたのが、印象に残りました。 　翌日、東京から友人たちが集まり、メインダイニングで「ランチの会」を催しました。食前酒に鮮やかな色のミモザのカクテルを頂き、早春の気分を味わいました。お食事は伝統的なフランス料理のコースです。平日なのにほぼ満席で、このホテルの根強い人気を感じました。

ところで部屋は本館の41号室で、スタンダードダブル（B）を一人利用で使用しまた。明治11年に建てられた本館の部屋はかなり古びています。バスタブでは温泉浴が楽しめるそうですが、浴室には暖房が効いていなく、しんしんと冷えていましたので、入浴は諦めました。ベットルームは程よく暖房が効いていたので、お茶を飲みながら、のんびりとテレビを観て過ごしました。 　このホテルには、温泉を利用した室内プールが地階にあります。何とも言えない古めかしい雰囲気に満ちている空間です。プールの後は、廊下の反対側にある温泉に入りました。地階の窓のない穴蔵風の温泉で、解放感はありませんが、雪の降る寒い日でしたので、身体が暖まりほっとしました。 　箱根と言えば、温泉施設の完備した旅館を思い浮かべますが、ホテルも捨て難いですね。美味しい朝食とフランス料理を食べることを目的にして、再び訪ねてみたいホテルです。

Fuji TIARA ix TITANIUM 作成日　2004/11/01、　最新更新日　2008年08月31日